映画『海賊と呼ばれた男』で、主人公が経営する国岡商店がありますが、そこに勤務する東雲忠司という男がいます。

 

本作は出光興産のモデルとして描かれた作品で、東雲忠司こと石田正賓は最終的に出光興産の3代目社長に就任することになります。

 

中小企業に過ぎない國岡商店を一躍大企業に押し上げることに貢献した東雲忠司は、本作の隠れたキーマンになることでしょう。

東雲忠司のモデルこと石田正賓について。

東雲忠司

 

物語では、国岡鐵造が経営する国岡商店する店員となる東雲忠司ですが、元々は、日邦石油の社員となる人物でした。

 

日邦石油は現在で言うところの日本石油になり、超の付く大企業です。

 

国岡鐵造の人物に惹かれて、当時中小企業となる国岡商店へ移籍する東雲忠司は、なかなかに胆力のある人物と言えるでしょう。

 

さて国岡商店が脚光を浴びる事件と言えば、本作でも触れられるGHQが命じた、旧日本軍の保有するタンカーの底に残っている油をくみ上げ作業となる、「底さらえ」になります。

 

この作業は、油まみれの中でくみ上げをする必要があり、油が充満する中で窒息したり、中毒になってしまう危険性の高いものとなりますが、この作業に果敢に立ち向かったのが、東雲忠司になります。

 

そして店員たちの協力もあって、この「底さらえ」は成功を収めることになります。

 

その後も、国岡鐵造が先頭に立ち、東雲忠司はじめ、武知甲太郎 、甲賀治作 、柏井耕一らと共に事業を拡大し続けていきます。

 

石田正賓が三代目の出光興産の社長へ。

出光佐三

 

『海賊と呼ばれた男』のアフターストーリーに相当する話ですが、東雲忠司のモデルとなった石田正賓は、出光興産の初代、2代目に続き、3代目の社長として就任することになります。

 

ちなみに2代目は、国岡正明のモデルとなった出光計助で、一族の末弟が就任しています。

 

詰まる所、一族以外で初の社長、トップとなったのが、石田正賓ということになるでしょう。

 

相当頭の切れる人物で、かつ初代の国岡鐵造(モデルは出光佐三)の理念をしっかりと受け継いだことでしょう。

 

出光の会社としての理念は、人間尊重主義という古き良き日本のそれで、社員をクビにしないというもの。

 

流石に過去のスタイルをそのまま踏襲するのが厳しそうなものの、それでも踏ん張り続けているように思えます。

 

国岡鐵造や石田正賓といった偉大な人を残念がらせない経営を、出光興産にお願いしたくありましょう。